タバコとアンチエイジング

タバコの健康への悪影響については、多くの人が知っていると思います。仕事がら、喫煙者である患者さんに、禁煙を勧めることがしばしばあります。多くの場合、「私はそんなに長生きしたくないから禁煙するつもりはない」「いつ死んでもかまわないから好きにしたい」このような理由をあげて禁煙に抵抗されます。実は、多くの健康上の問題は、喫煙者の場合は、たばこをやめることで、かなり改善するものなのです。というのは、本来、病気をする必要がなかった健康な人が、喫煙を続けるうちに、たばこの害毒によって健康を害してしまい、現在の状態になったというケースがたいへん多いのです。喫煙者の場合、すべてに優先するのは、まず禁煙することなのです。どんな西洋薬も、漢方薬も、そして鍼灸も、禁煙することなしにいくら施術しても、服薬しても、改善効果は半減します。逆に禁煙さえできれば、他に治療しないでも病気が改善するケースすら多数みられます。タバコの問題の一つは、煙とともに吸い込む大量の一酸化炭素が肺から血液に溶け込み、それが血管の壁を酸化させて動脈硬化を起こしていくことにあります。一酸化炭素は、不完全燃焼の結果生まれるものであり、大量に吸い込むと中毒死するほどの危険物資です。

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一酸化炭素の害毒

そもそも老化とは、血管の老化から始まるといわれています。血管がまず老化し、血管を介して栄養を受けている臓器や皮膚が老化していくのです。その血管をダメにしてしまうことがたばこの大きな問題点なのです。喫煙者が認知症になりやすいことは、すでに明らかになっていますが、これも脳の老化を引き起こすためです。この一点をみても、喫煙がアンチエイジングの最大の敵であることが分かると思います。発がん関連物質が200種類近く含まれているために、各臓器の発がんが促進されることや、肺気腫を起こし、呼吸器疾患での死亡率を高めることなど、タバコには百害あって一利なしです。ストレス解消のためにタバコを吸うと主張する人も多いですが、彼らの言うストレスとは、実は、ニコチン切れの禁断症状のことなのです。偉い漢方の大家でも喫煙する人がいて、あきれることがあります。これでは患者さんを指導できません。世界保健機構(WHО)でも喫煙は「ニコチン依存症」という疾患として分類されています。このニコチンは強い中毒性があり、ニコチンが切れるとイライラし、落ち着かなくなり、作業効率が落ちるという、いわゆる禁断症状が出現するのです。禁断症状をストレスだと主張する理屈は通りません。それでは麻薬中毒も覚せい剤中毒も、正当化されてしまいます。「タバコをやめたらストレスで病気になる」などという理屈は、根本的に事実誤認しているということです。

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