「子供を受動喫煙から守る条例」と日本臨床腫瘍学会

日本臨床腫瘍学会が、禁煙宣言を出しました。その宣言内容とは、日本臨床腫瘍学会とその会員は、あらゆる機会をとらえて禁煙を推進しますとのことです。また、すべての喫煙者に禁煙を指導しますとのことです。このほか9項目を宣言しています。喫煙は、癌や腫瘍の原因であることを学会も認めたということです。同学会のメンバーの喫煙率は4%とのことです。9項目の中には会員全員が非喫煙者であることを目指しますというのも含まれています。

喫煙が健康を害することは医学界でも常識

医師の喫煙率はしだいに減少しています。政治の世界においても、大きな動きが出てきています。10月5日、東京都議会本会議で、都民ファーストの会などが提案する「子供を受動喫煙から守る条例」が成立しました。他人が吸っているたばこの煙を吸い込んで健康を害することから子供を守ろうというものです。これまで喫煙者の親を持つ子供は、親の吸うたばこの煙を吸い込み、喘息や肺炎になって苦しんできました。社会的弱者を救うためにも法による規制は必要なのです。この条例は「喫煙者は家庭など子どもと同室の空間で喫煙をしないように努めなければならない」と定めています。子どもがいる部屋、子どもが乗っている自動車の中でたばこを吸わないように定めますが、努力義務で、違反した場合の罰則はない条例です。罰則がないとどこまで守られるか、効果は不明です。なんらかの罰則があればさらに良かったと思います。

スモーキングエリアでのみ喫煙し家や会社では吸わないという区分け

日本禁煙学会でも、親の喫煙は、乳幼児突然死症候群を誘発すると言っています。乳幼児の突然死の頻度が、受動喫煙がない場合の5倍くらい高まるのです。呼吸器系の病気も増えます。気管支炎、肺炎、気管支ぜん息、中耳炎、外耳炎になりやすいのです。親が喫煙する子供は受難の子供時代を過ごします。少しでもリスクを減らそうと、換気扇の近くで吸っても効果はありません。タバコの煙は換気扇では完全に排除できないので、部屋に煙が広がってしまうのです。最近、家庭での対策として「1人用の喫煙ボックス」が注目されています。組み立て式の喫煙ボックスの中でタバコを吸うことで受動喫煙を防止するのです。高さおよそ2メートル30センチで、広さはおよそ60センチ四方のボックスです。オフィス用のボックスをすでに製造している菱熱工業では家庭用の喫煙ボックスの開発に取り組んでいます。

子供を受動喫煙から守る条例

子どもの受動喫煙を防ぐ趣旨には多くの人が賛成していますが、その効果的な方策については意見が分かれています。今回の法による規制が子供の受動喫煙の被害を減らして効果を発揮するかどうか、注目されています。禁煙を進める団体は「受動喫煙させられている立場の人たちが声を上げ、喫煙者にたばこをやめてもらうことが正しい生き方」だと主張しています。東京都の条例の目的は、あくまでも子どもを健康被害から守るということですが、子供だけではなく、非喫煙者のすべてが受動喫煙から守られる必要があるのです。喫煙者には子どもの立場を考えた対応が求められていますが、子供だけではなく、すべての非喫煙者の健康について考える義務があるといえそうです。喫煙行為はあきらかに憲法の定める「公共の福利に反する」行為だからです。

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