禁煙の成功に一番必要なものは何か

禁煙をしたいという人が増えています。また、家族や身内に禁煙をさせたいという人も増えています。これはタバコの有害性が広く知られてきたからにほかなりません。タバコの中に約二百種類以上もの発癌関連物質が含有されていることがわかってきました。そして、肺癌をはじめ、喉頭癌、乳癌、食道癌、大腸癌、胃癌、膀胱癌など、ほとんどの癌が、タバコによって増加していることも明らかになってきました。

乳がんもタバコで増加する

未熟児が生まれたり、不妊症になるのもタバコが関連しています。肺気腫という肺がスカスカになって慢性呼吸不全を起こす病気の原因がタバコであることもわかってきました。心筋梗塞や脳梗塞などの血管が動脈硬化によって詰まってしまう危険な病気の原因もタバコであることがわかってきました。動脈硬化で高血圧症にもなります。また、腰痛もタバコによって発症したり悪化したりするのをご存知でしょうか?最近では、タバコに含有されるカドミウムが、統合失調症やうつ病などの精神の疾患を誘発、悪化させている実態も次第にわかってきています。不眠症もタバコで悪化します。

非常に依存性が強いニコチン中毒

タバコを吸い始めるとなかなかそれを止められません。公害や空気汚染、農薬汚染、食品添加物などの有害物質が身の回りに増加している中、さらにタバコによって有害物を体内に取り込んでいる人の行為は、まさに「緩やかな自殺」といっても良いでしょう。また、副流煙の問題もあります。自分だけが病気になるわけではなく、周囲にいる人もまたタバコから漏れ出る煙の毒性に影響され、同じように病気になっていくのです。駅などの公共機関で施設内禁煙が徹底されるようになってきたのは、副流煙の実態を知れば、当然の流れといえるでしょう。ここまで問題が明確になってもなお、禁煙ができないのはなぜなのでしょう。タバコの持つ、習慣性、依存性というものがその原因です。ではどうすれば、これを断ち切ることができるのでしょうか。

喫煙本数が多いほど自殺の危険が高まる

喫煙本数が多いほど自殺の危険があがることを厚労省研究班が明らかにしました。日本人の中年男性の統計では、喫煙本数が多いほど自殺する危険性が高まるという結果が出ています。この大規模疫学調査の結果をどう分析するかです。厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が発表したものです。日本の自殺による死亡率は他の国と比べても高いです。喫煙と自殺の関係は未解明といわれてきましたが最近ではタバコのカドミウムの影響が考えられています。研究班は40代から60代の男性約4万5000人を約10年間にわたって、詳細に追跡しました。この間に自殺した173人の喫煙状況は、1日の喫煙本数が20本未満の人と比べて、自殺の危険性は30本以上40本未満の人で1.4倍、40本以上の人で1.7倍に、それぞれ高まったのです。おそらくカドミウムがうつを誘発し、自殺につながったのでしょう。カドミウムがメンタルに悪影響を与えることは多くの研究で証明されています。タバコを吸っている人のほうが自殺率が低いという説がありますが、世界中で行われている調査では、喫煙本数が多いほうが自殺率が高いという結果が出ているので「喫煙は自殺の遠因になるというのが科学的な見方」です。

腰痛は喫煙で悪化する

腰痛の原因として腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が有名です。しかし、こういった疾患は腰痛全体の15パーセントぐらい。その他のほとんどは、原因不明の腰痛です。多くは筋膜性腰痛などと診断されます。この大部分の腰痛は、血流と関係が深いのです。腰部の血流がタバコによって低下し、腰痛が起こります。椎間板は、背骨と背骨の間にあってクッションの役目を果たしています。椎間板には血管がありませんので、栄養分は椎間板の周囲の血管などから吸収しますが、喫煙によって、この血管も収縮を起こして血のめぐりが悪くなり、栄養が行き渡らなくなって椎間板が変性するのです。ニコチン摂取によって弾力性が本来の半分以下になると、日常のいろいろな動きによって椎間板が壊れやすくなり、中の軟骨が飛び出して周辺の神経を圧迫して痛みが起きます。一日の本数が21本以上の喫煙者が腰痛を訴える程度は、非喫煙者の1.36倍と高く、20本以下でも1.29倍でした。つまり、腰痛の原因はタバコであるといえるのです。腰が痛いにもかかわらずタバコを吸っているならば、その腰痛は治ることはありません。原因をそのままにして病気が治ることはないのです。腰痛持ちの人にとって禁煙は必須です。腰痛でタバコを吸うのは、腰痛を治したくないと表明するのと同じです。

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