たばこは就活にマイナス~禁煙についてのここ十年の変化

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新社会人の喫煙に好感を持てないという企業が増えています。企業の人事担当者は過半数が喫煙に不快感を持ち、採用の際には基準として考慮もあり得ると答えています。厚生労働省研究班の調査で出た結果です。たとえ、明確な採用基準になっていなくても、喫煙は就職に何らかのマイナスの影響を与えていると考えられます。新社会人の喫煙に関する印象は「好感が持てない」が25%で、「どちらかといえば」を含め56%。「どちらともいえない」が43%で、好感が持てるとしたのはごく少数だったのです。

禁煙すべきという人は増えている

男性の禁煙については管理職になればなるほど進んでいます。これはその反映でもあるのです。タバコを吸う事で肺がんだけではなく胃がんやすい臓がん、大腸癌、乳がんも増加することが、大規模な研究ですでに明らかになっているのです。タバコの有害さについて本当に理解がある人が増えてきた証拠です。この流れはもう止められないでしょう。タバコは副流煙の問題があるので、必ず他人様に迷惑になるのです。それゆえに、タバコを吸う社会人は、生きているだけで他人に迷惑をかけていることになります。もちろん、自分の健康をどんどん破壊しているのですから自分にも罪をつくっているのです。病気になれば、健康保険をつかって医療を受けるのですから、健康保険料を支払うすべての国民に対しての喫煙は裏切り行為といえるのです。

高齢化社会と禁煙運動

医療機関で治療を受けると、診療報酬が発生しますが、この価格は、患者が急増する「2025年問題」に向けて改訂を重ねる流れとなっています。医療費の高騰を乗り切るため、高齢者を中心に患者が入院せずに自宅や施設で治療を受ける方向づけが進んでいるのです。ところが、禁煙推進運動へのテコ入れはほとんどありません。中央社会保険医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)が診療報酬について決定していることはあまり知られていません。中医協は診療報酬の個別の改定内容を答申している組織です。2年に1度見直す決まりですが、政府は全体で1・19%引き下げると決めています。これは高齢化して医療費が増大する流れと逆であり、ひずみが今後、いろいろな方面に出てくることはわかりきっています。さらに禁煙推進運動にはほとんどテコ入れがないのです。治療代など「本体」は0・55%引き上げ、「薬価」は1・74%引き下げると決定されていますが、これは75歳以上が最多になる2025年に向けた対策です。入院中心では受け皿が足りなくなるため、在宅診療が今以上に増えていくように促すさまざまな配慮がなされています。スマートフォンやパソコンを通じて診察する遠隔診療の保険対象も拡大されます。それも大事ですが、もっと大事なのは、禁煙治療の報酬を上げるべきことであり、禁煙に関連したあらゆる医療活動にテコ入れが必要です。

喫煙により、心筋梗塞を起こすという因果関係

患者をできるだけ病院の外に置いておくことで医療費を下げようとの考え方ですが、果たしてうまくいくのでしょうか。机上の空論であるように思います。もし、本当に医療費を下げたいのなら、まず行うべきことは、禁煙運動の推進です。寝たきり老人の大きな原因は脳梗塞や心臓病や癌や慢性呼吸不全ですが、これらすべてはタバコを吸うことで起こる病気なのです。喫煙者がもっと減れば、病気になる人が減りますので、医療費も低く済むようになるのです。今後、診察や日常生活の指導などをした場合の報酬もいろいろ拡充されるようですが、禁煙推進運動をさらに進めないと、根本的には解決しません。日本はまだまだ喫煙率が高いのです。男性も女性も喫煙をしていて、そのせいで癌になり、脳梗塞になり、心筋梗塞などの心臓病になっています。糖尿病の患者でも喫煙していると心筋梗塞になりますが、いまだに、糖尿病でも禁煙していない患者は多いのです。国民医療費の4割を占める入院費を減らすにはまず禁煙推進運動を全国で進めることです。いまは8割が医療機関で亡くなっているのですが、その原因の中の大きな部分は喫煙習慣にあります。こうなったら市町村などの自治体レベルで禁煙推進運動をさらに大きく育てるしかありません。

50歳未満の喫煙で心臓発作八倍、20歳までに喫煙で寿命短縮

タバコを吸うと、動脈硬化が血管内において進行していきます。その動脈硬化の変化は、全身で進みますが、とりわけ、危険なのが、心臓の冠動脈です。心臓に栄養をおくる冠動脈が、動脈硬化で閉塞すると、狭心症になります。完全に閉塞したものが、心筋梗塞であり、こうした冠動脈の動脈硬化は、喫煙で進行します。タバコは心臓の最大の毒なのです。冠動脈の血流の悪化は心筋梗塞だけではなく、さまざまな不整脈を起こします。心房細動などもこうした喫煙の結果おきてくるのです。タバコの煙は、喫煙者だけではなく、周囲のタバコを吸わない人にも有害であり、喫煙者は周囲の人に迷惑をかけているということになります。イギリスでの調査結果によれば、50歳未満の喫煙者は、同年代の非喫煙者と比較して、心臓発作リスクが8倍も高いのです。タバコが心筋梗塞の発作を起こしていることは明らかです。心臓発作のリスクは、50~65歳には5倍、66歳以上では3倍です。これらの研究論文は学術誌「ハート(Heart)」に掲載されました。この調査の結果、すべての喫煙者の心臓発作リスクは非喫煙者よりも高いことがわかっています。このイギリスの研究の結果によると、喫煙者が心臓発作を起こした時期は、元喫煙者や非喫煙者よりも平均で10年あまり早かったということです。また、過去に冠動脈疾患を患った人の数は、喫煙者では非喫煙者の2倍も多かったのです。喫煙こそが、冠動脈をつまらせ、梗塞を起こしたり、不整脈を起こしたりしている犯人なのです。この調査の結果、50歳未満の心筋梗塞の患者の75%は喫煙者だったこともわかりました。75%という数字を見れば、タバコを吸ったために心筋梗塞になったことは明白です。喫煙者は元喫煙者や非喫煙者と比べて、心筋梗塞になる確率が3倍も高いことがわかったのです。

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